経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)を受ける患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行の遅延戦略は、TAVI前PCI施行に対して、1年時点の複合エンドポイント(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、および大出血)に関して非劣性であることが示された。オランダ・アムステルダム大学医療センターのRonak Delewi氏らPRO-TAVI trial investigatorsが同国の12病院で実施した研究者主導非盲検無作為化試験の結果を報告した。著者は、「示された結果は、患者個別の治療方針決定が重要であることは変わらないが、適切に選択された患者では初期の保存戦略が妥当な選択肢となる可能性を示唆するものであった」とまとめている。Lancet誌2026年4月11日号掲載の報告。
1年時点の全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、および大出血の複合を評価
研究グループは、冠動脈疾患患者におけるPCI遅延が標準的治療のTAVI前PCIに対して非劣性かどうかを検討した。
対象は、TAVIの適応あり、臨床的に意義のある冠動脈疾患(最小直径2.5mmの固有冠動脈またはバイパスグラフトにおける視覚的推定で70~99%の狭窄が少なくとも1つあると定義)を有する患者で、PCI遅延群またはTAVI前PCI群に1対1の割合で無作為に割り付けた。無作為化は、2および4のランダムブロックサイズからなるウェブベースのシステムを用い、左前下行枝近位部を含む冠動脈疾患の有無で層別化して行った。
主要エンドポイントは、1年時点の全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、および大出血の複合であった。非劣性検定はITT集団にて行い、事前に規定した非劣性マージンは11%ポイントであった。また、非劣性が示された場合は優越性を検証することが予定された。
複合エンドポイントはPCI遅延群24%、TAVI前PCI群26%
2021年10月7日~2024年11月19日に、466例が登録され、233例がPCI遅延群に、233例がTAVI前PCI群に無作為化された。年齢中央値は81歳(四分位範囲:78~84)、166/466例(36%)が女性であった。
主要エンドポイントは、PCI遅延群で56/233例(24%)、TAVI前PCI群で60/233例(26%)に発生した。群間の率差は-1.7%ポイント(95%信頼区間[CI]:-9.5~6.2)、ハザード比は0.89(95%CI:0.62~1.28)であり、非劣性(p=0.0008)が検証された。優越性は示されなかった(p=0.68)。
(ケアネット)